キャンピングカーの横転事故は、タイヤのバースト、横風、急なハンドル操作、荷物の積み方など、さまざまな要因が重なって発生します。
事故を防ぐには、出発前のタイヤ点検と、車両の特性に合わせた慎重な運転が欠かせません。万が一事故が起きた場合は、負傷者の救護と二次事故の防止を優先し、速やかに警察へ連絡しましょう。
負傷者がいる場合や、車両から煙・火が出ている場合は119番へ通報してください。
今回は、ABCキャンパーが実際に買い取った横転事故車両の事例をもとに、事故が起こる原因や運転時の注意点、事故後の対処法を解説します。
キャンピングカーで横転事故が起こる主な原因
タイヤのバースト

キャンピングカーの横転事故につながる原因の一つが、走行中にタイヤが突然破裂する「バースト」です。
空気圧が不足した状態で高速走行を続けると、タイヤが大きく変形して発熱し、損傷につながるおそれがあります。
また、タイヤの亀裂や傷、経年劣化、過積載なども、バーストを引き起こす要因です。
特に後輪がバーストすると車体後部が左右に振られることがあります。そこで慌てて急ブレーキや急ハンドルを行うと姿勢がさらに不安定になり、横転や他の車両とぶつかる可能性があります。
横風・急操作の影響を受けやすい

キャブコンをはじめとする背の高いキャンピングカーは、一般的な乗用車よりも重心が高く、車体側面の面積が広いことから風を受けやすい傾向があります。
特に、橋の上やトンネルの出口、大型車に追い越された直後などに横揺れが発生しやすく、速度を出した状態での急ハンドルや急ブレーキも車体の姿勢を崩す要因になります。
荷物の積みすぎや偏り
旅行用の荷物、飲料水、キャンプ用品などを大量に積み込むと、車両重量が増加します。
さらに、重い荷物を吊り戸棚やルーフ部分など高い位置へ載せると、車両全体の重心も高くなってしまうため、重い荷物はできるだけ低い位置に、左右のバランスを考えて積むことが大切です。
タイヤのバーストをきっかけに横転した事故車両の事例
左リアタイヤのバースト後に車体が横転

今回当社が買い取った事故車両の前オーナー様からは「走行中に左リアタイヤがバーストし、車体が不安定になったことをきっかけに横転した」とお話を伺いました。
幸い、この事故では乗車していた方の命に別状はありませんでした。
前オーナー様からは、同じような事故を防ぐための注意喚起として、事故当時の映像や情報をご提供いただいています。
前オーナー様から提供されたドライブレコーダーの映像を見ると、異変が起きてから横転するまでの時間は非常に短く、走行中にトラブルが発生してから運転操作だけで事故を回避することの難しさが分かります。
▼注意喚起動画はこちら▼
車両の状態

車両は、横転した側の外装やフロント部分が大きく損傷していました。
車内でも吊り戸棚や収納家具、ベッドマットなどが本来の位置から外れており、横転時には車内設備や固定されていない荷物も乗員に危険を及ぼす可能性があります。
なお、これは一つの事故事例です。
すべての横転事故が同じ原因で発生するわけではなく、タイヤの状態、速度、積載状況、道路環境、運転操作などが複雑に絡み合って発生します。
日頃から多角的な安全対策を意識することが大切です。
キャンピングカーの横転事故を防ぐための注意点
出発前にタイヤの空気圧や亀裂を確認する

空気圧不足の状態で走行すると、タイヤの寿命低下だけでなくバーストの危険性も高まります。
しかし、空気圧は見た目では判断できないため、タイヤが冷えている状態でエアゲージを使用して、月に1回や旅行の出発前を目安に、「車両指定空気圧」になっているか計測・点検をしましょう。
あわせて、タイヤ側面の亀裂や膨らみ、釘などの異物、溝の減り方も確認します。コードに達する傷やゴム割れがあるタイヤを使用しないよう注意してください。
また、走行距離が短く溝が残っていても、紫外線や経年劣化により危険な状態になっている場合があります。製造時期や使用環境も含め、定期的に専門店で点検を受けましょう。
※新車時と異なるサイズのタイヤを装着している場合は、必要な空気圧が異なることがあるため、専門店へ確認してください。
重い荷物を高い位置や片側に集中させない
飲料水、工具、調理器具などの重い荷物は、できるだけ低い位置へ収納します。左右どちらか一方に荷物が集中しないようにし、走行中に動かないよう固定することも大切です。
出発前には、収納扉や冷蔵庫の扉がロックされているか、テーブルや小物が固定されているかも確認しましょう。
強風時や高速道路では速度を控える

キャブコンをはじめとする背の高いキャンピングカーは、一般的な乗用車よりも重心が高く、車体側面が風を受けやすい傾向があります。
特に橋の上、海沿い、トンネルの出口などでは、突然強い横風を受けることがあります。大型車を追い越す場合や追い越される場合も、風圧の変化に注意しながらの走行が必要です。
強風時やカーブの手前では十分に減速を行い、周囲の車両との距離を確保して、余裕を持った走行を心がけましょう。
横風に流されても慌てて大きくハンドルを切らず、ゆっくり姿勢を修正します。
急ハンドルや急ブレーキを避ける
キャンピングカーは車体が大きく重量もあるため、急な車線変更や急ハンドルを行うと車体が大きく傾くことがあります。
そのため、車線変更やカーブでは早めに減速し、ゆっくりハンドルを操作しましょう。
車間距離を十分に確保しておけば、前方でトラブルが起きた場合も急ブレーキや急な回避操作を避けやすくなります。
横滑り防止装置などの安全装備が付いている車両でも、装置の能力には限界があります。安全装備を過信せず、車両の特性に合った速度で走行してください。
走行中は全員がシートベルトを着用する
キャンピングカーの車内には、ベッドやダイネットなど、くつろいで過ごせる設備があります。しかし、走行中にベッドへ横になったり、シートベルトのない場所へ座ったりするのは危険です。
出発前に、全員が座席へ座り、正しくシートベルトを着用していることを確認しましょう。
キャンピングカーが横転した後に取るべき行動
負傷者の救護と二次事故の防止を優先する

事故後は、車両の損傷や荷物の確認よりも、人命を最優先します。
自分や同乗者にけががないか確認し、負傷者がいる場合は119番へ通報します。後続車との事故が起こる危険がある場合は、無理のない範囲で安全な場所へ避難してください。
警察へ連絡する
事故を起こしてしまったら直ちに停止し、負傷者の救護、道路上の危険防止、警察への報告を行う必要があります。けが人がいないように見える場合や単独事故であっても、警察へ連絡しましょう。
横転した車両から煙、異臭、液漏れなどが確認できる場合は、不用意に近づいたり車内へ戻ったりせず、その状況を消防や警察へ伝えてください。
事故状況とドライブレコーダーの映像を保存する

安全を確保した後、可能な範囲で道路状況、車両の停止位置、タイヤや車体の損傷を記録します。
ドライブレコーダーの映像は、時間が経過すると上書きされる場合があります。
取扱説明書に従ってできる限り早めに映像を保護し、SDカードやデータを保存しましょう。事故状況の写真や映像は、事故原因の確認や保険手続きに役立つ場合があります。
保険会社やロードサービスへ連絡する
警察への連絡や負傷者の対応が済んだ後は、加入している保険会社やロードサービスへ連絡します。
車両を修理・処分する前に保険会社へ相談し、必要な確認や手続きを行ってください。事故現場で相手方と示談や補償の約束をすることは避け、保険会社の案内に従いましょう。
痛みがなくても必要に応じて医療機関を受診する
横転事故では、シートベルトによる圧迫や車内設備との接触などにより、後から痛みや体調不良が現れる場合があります。
事故直後に自覚症状がなくても、強い衝撃を受けた場合や少しでも違和感がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
日頃の点検と余裕のある運転で横転事故を防ごう

キャンピングカーの横転事故は、タイヤのバースト、高い重心、横風、速度、急な運転操作、荷物の偏りなど、さまざまな原因によって発生します。
出発前にはタイヤの空気圧や劣化状態を確認し、荷物を適切に配置するようにしましょう。走行中は速度を控え、車間距離を取り、急ハンドルや急ブレーキを避けることが重要です。
定期的な点検とキャンピングカーの特性に合わせた運転を心がけ、安全で楽しい旅につなげましょう。
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