FFヒーターで一酸化炭素中毒になる可能性は低い
FFヒーターは正しく取り付け・使用されていれば、構造上、一酸化炭素中毒になる可能性が非常に低い暖房装置です。
ただし、これは「どんな使い方をしても絶対に安全」という意味ではありません。排気が正常に車外へ出ていない状態では、FFヒーターであっても危険になってしまうことがあります。
そこで本記事では、排ガス中の一酸化炭素濃度の違いや、FFヒーターが比較的安全と言われる理由、スキー場など雪山で注意すべきポイントを分かりやすく解説していきます。

乗用車の排ガスとFFヒーターの違い
一酸化炭素濃度の目安
まず、排ガスそのものに含まれる一酸化炭素(CO)の量を比較します。
一般的な乗用車の排ガス→約1~2%
FFヒーターの排出されるガス→約 0.003~0.01%

乗用車の排ガス中の一酸化炭素濃度は排ガス量の1~2%と言われています。それに対して、FFヒーターから排出されるガスの一酸化炭素濃度は0.003~0.01%と言われています。(車種や状態によって異なります)
そのため、FFヒーターの排ガスは、乗用車のエンジンと比べても一酸化炭素の発生量が極めて少ないことが分かります。
ただ、濃度が低ければ安全ということではなく、一気に吸い込んでしまうのも、少量でも長時間吸い続けてしまうのも、どちらも危険です。
長時間使用する場合は、定期的に窓を少し開ける、一酸化炭素チェッカーを準備をしておくなどの対策を講じるとより安心です。
FFヒーターが比較的安全な理由
FFヒーターは、燃焼に必要な空気を車外から取り入れ、燃焼ガスも車外へ排出するという構造を持つ暖房装置です。
つまり、車内の空気を直接燃焼に使わない設計のため、排ガスが室内に溜まり続ける状況が起こりにくいようになっています。この構造こそが、FFヒーターで一酸化炭素中毒のリスクが低い最大の理由です。
FFヒーター使用時のポイント
ただ、一酸化炭素中毒の可能性が低いとはいえ、必ず安全とは限りません。
実際に、家庭用FF式石油温風機を使用した際に、一酸化炭素が漏洩したことで中毒事故が起きた事例もあります。
乗用車やキャンピングカーのように気密性が高い空間では、特に事故が起きないよう対策が必要です。
一酸化炭素検知器(COアラーム)の設置
FFヒーターは構造上、一酸化炭素が車内に発生しにくい設計ですが、排気口の閉塞や予期せぬトラブルが起きた場合、一酸化炭素濃度が上昇して中毒症状が出てしまう可能性はゼロではありません。
COアラームを設置し、
- 正常に作動するか定期的に確認する
- 電池式の場合は電池残量をチェックする
といった基本的な管理を行うことで、万が一のリスクを早い段階で察知できます。
排気口付近の雪に気をつける

乗用車の排気ガスと同様にFFヒーターを利用した場合でも、排気ガスは発生します。正しく取り付けがされていれば、排気ガスは車外に排出されます。
特にスキー場などの雪山では、
- 降雪によって排気口が塞がれる
- 除雪後の雪の壁に排気が当たる
といった状況が起こりやすくなります。
乗用車と同様に、FFヒーターをつけっぱなしで就寝される場合は、FFヒーターの排気口の向きを考えて駐車し、排気口が雪で塞がらないようにしましょう。
排気口が雪で塞がってしまうと、一酸化炭素濃度の低いFFヒーターと言っても、一酸化炭素中毒の可能性があります。
ディーゼル車は燃料凍結にも注意
スキー場などの寒冷地では、ディーゼル車の場合、軽油の凍結にも注意が必要です。
気温が大きく下がると、燃料の流動性が低下したり、エンジンや燃焼装置が正常に動作しない、といったトラブルが起きる可能性があります。
寒冷地で車中泊をする場合は、寒冷地仕様の軽油を使用し、事前に燃料の状態を確認しましょう。
就寝時には、できる限り使用しない
安全性を最優先に考えるのであれば、就寝時にはFFヒーターの使用を控えることをおすすめします。就寝中は自身の体調などの異変に気づきにくく、万が一の際に対応が遅れてしまう可能性があります。
就寝前にFFヒーターでしっかり温めて、寝袋や布団で体温を保ったり、断熱マットを敷いておくと、安全だけでなく寒さの対策もしっかりできます。
車種によって排ガスの性質はどう違うのか
他にも、一酸化炭素中毒の危険性はいろんなところに潜んでいます。ガソリン車・ディーゼル車それぞれの排ガスの性質を整理し、どこにリスクの差があるのかを分かりやすく解説します。
ガソリン車の排ガスは、短時間でも危険になりやすい
ガソリン車は、燃料と空気をほぼ理想的な比率で燃焼させる仕組みのため、一酸化炭素が比較的多く発生しやすくなっています。
排ガス中の一酸化炭素濃度の目安は、約0.5~2%前後とされており、特にエンジン始動直後やアイドリング時は高くなりやすい傾向があります。この濃度は、密閉された空間では短時間でも危険域に達することがあるのです。
実際に、雪でマフラーが塞がれた状態でエンジンをかけ続け、 一酸化炭素中毒による死亡事故が発生した事例も報告されています。
このため、ガソリン車のエンジンをかけたままの車中泊は、非常に危険とされています。
ディーゼル車の排ガスは、一酸化炭素は少なめだが安全ではない
一方、ディーゼル車は空気過剰状態(リーン燃焼)で燃焼するため、 一酸化炭素の発生量はガソリン車より少ない傾向があります。
排ガス中の一酸化炭素濃度の目安は約0.01~0.1%程度とされることが多いものの、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)が多くなりやすいという特性もあり、一酸化炭素が少ないから安全というわけではありません。
ディーゼル車であっても、排気がうまく外へ逃げずに車内へ滞留する状況が生まれれば、一酸化炭素中毒のリスクは十分にあります。
安心してFFヒーターを活用するために
就寝中にFFヒーターを付けていたとしても、一酸化炭素中毒になる可能性は低いと思われますが、就寝時には、FFヒーターは停止しておやすみになることをおすすめします。
室内を十分に暖かくしておいて、シュラフや布団に入って寝てしまえば、極端に寒くなければ問題ないでしょう。
寒さが厳しくFFヒーターを動作させたまま就寝する場合は、排気口の向きを考え、雪で塞がらないように注意しましょう。
FFヒーターの特性を正しく理解し、安全に使うことが、快適な車中泊につながります。

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