平成29年7月26日以降に製造される新車キャンピングカーでの横向きシートが禁止になりました。
現状のバンコンでは、横向きシートも含めて10人乗りとして登録されていましたが、法改正により、横向きシートは乗車定員に数えないこととなりました。
では横向きシートを搭載して10人乗りではなくなると、何が変わるのでしょうか?
「自動車の保安基準」が変わります
これまでのキャンピングカーは、「乗車定員が10人以上の車両」はバスに分類されるため、横向きシートを含めて10人以上乗れれば、普通乗用車よりもゆるい安全基準でした。
ただし、バンコンとして使用されるハイエースやキャラバンの10人乗りの車は横向きシートを装着すると、普通乗用車と同じ安全基準が適用されます。
その結果、現行のハイエースでは強度・シートベルト構造などの基準を満たせない場合があり、従来の横向きシートレイアウトがそのままでは認められない可能性があります。
8ナンバーキャンピングカーであれば、横向きシートが使用できます
キャンピングカー登録されている8ナンバーの車両であれば横向きシートを使用できますが、登録をしようとすると、満たさなければならない様々な構造要件があります。
その中でもハイエース・キャラバン(ミドルルーフ車)で問題となるのが、「キッチン前の室内高が1,600mm以上必要」 というルールです。
室内高の足りないクルマでこれを満たすには、床を掘り下げるか、ポップアップルーフを取り付けて1600mmを確保するなど、対策を講じる必要があります。
床を掘り下げるのは、シンプルな方法ですしコスト面でも有利。しかし、それができるのは、構造上、車体後部に限られます。つまり、キッチンを後部にするしかない、というレイアウト上の制約が発生するということです。
ただ、現状の3ナンバーキャンピングカーのメリットの一つとして、キッチンがなく、様々なレイアウトの室内が可能ということがあります。
バンコンに乗っている方の多くは、車内で料理をするということは少ないのではないでしょうか?
3ナンバーキャンピングカーで横向きシートを使用する事はできず、横向きシートを使用するにはキッチンが必要な8ナンバー化する必要があります。
キャンピングカービルダーが今後どのような対策モデルを出してくるのか、動向を見守るしかなさそうです。
ちなみに、法改正施行前の3ナンバーキャンピングカーについては、横向きシートは使用可能ですので、ご安心ください。


