キャンピングカーの構造要件とは、一般的な車と区別して「キャンピングカー(特殊用途自動車)」として登録するために、国土交通省が定めているルールのことです。
これは、車両を「特定用途自動車(8ナンバー)」として登録するために必要な法的基準です。8ナンバー登録をすることで、税金の軽減や保険面での優遇など、さまざまなメリットがあります。
しかし、基準を満たしていない場合は、車両が違法改造とみなされ、車検に通らないばかりか、事故の際に保険が適用されないリスクもあります。今回は、8ナンバー登録に必要な代表的な設備基準を解説します。
8ナンバー登録に必須の5大構造要件
キャンピングカーとして認められるには、以下の5つの設備とスペースに関する基準をすべて満たす必要があります。
1. 就寝設備(ベッド)
キャンピングカーには、乗車定員の3分の1以上(端数切り上げ)の人数が寝られるスペースが必要です。このベッドは、座席を倒して作る可動式でも問題ありませんが、一人あたり「長さ180cm × 幅50cm」以上の連続した寸法が求められます。
2. 水道設備(シンク)
衛生的に使用できるシンクと、給水タンク、排水タンクが必須です。タンクはそれぞれ10L以上の容量が必要で、シンクは調理スペースの近くに固定されていなければなりません。
3. 炊事設備(コンロ)
調理を行うためのコンロも必須です。卓上カセットコンロでも問題ありませんが、使用時にずれないように固定されている必要があります。また、防炎・耐火性の素材を使用した壁や床が必要です。
4. テーブルの設置
キャンピングカー内で食事や作業を行うためには、テーブルの設置も求められます。テーブルはしっかりと固定されている必要があり、収納時に邪魔にならない設計が望ましいです。テーブルのサイズや設置方法にも規定があります。
5. 室内スペースの確保
水道設備と炊事設備の前には、高さ1,600mm以上の作業スペースを確保する必要があります。これにより、車内で立って作業ができるようになります。
重要チェックポイント
キャンピングカーを購入する際、8ナンバー登録の要件を満たしているかを確認することは非常に重要です。
購入前に必ず確認すべきポイントは、車検証です。車体の形状欄に「キャンピング車」と記載されているかをチェックしましょう。もし記載がない場合、8ナンバー登録の恩恵が受けられないだけでなく、保安基準に適合していない可能性もあります。
まとめ
キャンピングカーの8ナンバー登録に必要な設備基準は、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、これらの基準は、安全で快適な車中泊を実現するために欠かせない大切な要素です。要件をしっかり理解し、それに合った車両を選ぶことで、安心して楽しむことができるキャンピングカーライフを送ることができます。
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