キレイに洗車したピカピカの車で出かけるのは気持ちの良いものです。キャンピングカーは特に、アウトドアに使うことも多いため汚れやすく、洗車したいという人も多いでしょう。しかし、キャンピングカーの洗車はなかなか大変です。
キャンピングカーで洗車機が使えない理由
キャンピングカーは洗車機の使用が基本的には出来ません。では、なぜ洗車機が使えないのでしょうか?理由について詳しく見ていきましょう。
サイズと重量
多くのキャンピングカーの場合この項目が原因で洗車機が使えません。多くの自動洗車機は普通乗用車や小型車向けに設計されています。そのため、キャンピングカーのような大きな車両には適しておらず、そもそも洗車機に入らないことがあります。キャンピングカーは、高さ、幅、重量ともに通常車のサイズを超えていることが多いため、一般車の容量で洗車が行われると、車体が洗車機のフレームにぶつかったり、洗車機自体が正常に動作しなかったりすることがあります。
外装の損傷リスク
自動洗車機のブラシや高圧水流は、キャンピングカーの窓やドア周辺にあるシール部分に直接接触することが多いため、これらが傷ついたり、剥がれたりする可能性があります。特に、キャンピングカーの窓やドア周辺のシールは通常の乗用車に比べて厚く、耐久性があるとはいえ、洗車機のブラシの摩擦や高圧水の衝撃によって劣化が早まることがあります。このような外装の損傷は、美観を損なうだけでなく、雨水やほこりが内部に侵入しやすくなり、キャンピングカーの価値が下がる原因にもなります。
ステッカーやデカールの剥がれ
キャンピングカーには、装飾やブランドロゴを含むデカールやステッカーを好んで貼るオーナーの方がいますが、これらが剥がれてしまう恐れがあります。強力な洗剤やブラシによってステッカーやデカールが少しずつ剥がれていくと、部分的に残ったステッカーがキャンピングカー全体の見た目を損なう要因になってしまいます。
ルーフトップの装備への影響
キャンピングカーの屋根部分にはソーラーパネルやルーフベンチレーター、エアコンユニットなど、さまざまな装備が取り付けられていることが多いです。これらの装備は、通常の洗車機でのブラシや高圧水に対する耐久性が考慮されていない場合が多く、ブラシや水流が当たることで、破損したり、接続部分が緩んだりする可能性があります。特に、ソーラーパネルや換気口の周辺が損傷すると、修理や交換に高額な費用がかかることがあります。
アンテナやミラーへの影響
多くのキャンピングカーには、外部に突き出た大きなミラーや、電波を受信するためのアンテナが取り付けられています。洗車機の回転ブラシや高圧水流がこれらのパーツに直接当たると、アンテナが折れたり、ミラーが破損したりするリスクが高まります。これにより、走行時の視界が悪くなったり、ナビゲーションシステムが正常に動作しなくなるなどの問題が発生する可能性もあります。
洗車機の水圧による内部への浸水
キャンピングカーの窓やドアには、雨水の侵入を防ぐためのシーリングが施されていますが、洗車機の高圧水流によって、そのシーリング部分に無理な圧力がかかることがあります。その結果、シーリング材の劣化やシーリングの隙間から内部に水が入り込むリスクが生じます。これにより、キャンピングカー内部の家具や電装品が濡れたり、湿気がこもってカビや腐食の原因になることがあります。特に、高価な内装や電化製品が水濡れで故障すると、修理費用が高額になる可能性があります。
排水口や換気口の詰まり
洗車機の高圧水が換気口や排水口に直接入ることで、内部にゴミや汚れが詰まり、通気が悪くなることがあります。特に換気が重要なキャンピングカーでは、通気口が詰まると内部の空気がこもり、快適性が低下します。さらに、排水口が詰まると、洗面所やキッチンで使用した水の排水がスムーズに行えなくなる可能性があります。これにより、キャンピングカー内の環境が不衛生になるリスクも高まります。
燃料給油口や水タンク口への影響
キャンピングカーの燃料給油口や水タンクの給水口は、一般的な車両と異なり、外部に露出していることが多いです。洗車機の高圧水がこれらの口に当たると、内部に水が入り込むリスクが増大します。燃料給油口に水が入るとエンジンのトラブルを引き起こす可能性があり、水タンクに不純物が混入すると飲用水や生活用水の衛生に影響を及ぼすこともあります。
洗車場以外でキャンピングカーを洗車するには?
上記のような理由で洗車機が使用できないとなると、自分で手洗いをするしかありません。自宅に洗車スペースがある場合は、洗車のためのグッズを揃えれば自宅で洗車するのがよいでしょう。天井が高いため大きめの脚立や、柄の長いブラシなども必要です。マンションなどで自宅での洗車が困難だという場合は、コイン洗車場などを利用することになりますが、これも大きなキャンピングカーはスペースの関係などで使えないことがあります。
いざという時に困らないように、自宅近くでキャンピングカーの洗車可能な洗車場を普段からチェックしておくのがおすすめです。稀ではありますが、キャンピングカー専用の洗車場などもありますので、行ける範囲ならば行ってみても良いかもしれません。キャンピングカーの洗車に必要な設備が整っているので、便利です。
基本的な手洗い洗車の手順
キャンピングカーの洗車は、適切な場所を選ぶことが重要です。直射日光の当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。これにより、洗剤が乾燥する前にしっかりと流し落とすことができます。
次に、柔らかいスポンジやクロス、専用の洗剤、バケツ、ホースなどを用意します。使用する洗剤は、キャンピングカー用のものを選ぶことで、塗装や素材にも優しいです。
場所と道具を確保できたらまず、全体を水で流し、土や砂などの大きな汚れを取り除きます。この段階で軽く洗い流すことで、後の作業がスムーズになります。
専用の洗剤を希釈したバケツに、柔らかいスポンジを浸していきます。スポンジに洗剤を含ませ、上から下へ優しく洗っていきましょう。特に汚れのひどい部分は、スポンジを使って丁寧に磨くことが大切です。
全体を洗い終わったら、ホースでしっかりと水を流します。洗剤残りがないように、念入りに流し終えたら、柔らかいタオルで水分を拭き取ります。最後に、乾燥させることでピカピカの仕上がりが完成します。これで安心してキャンピングカーを楽しむ準備が整います。
洗車時の注意点
直射日光を避ける
直射日光の下での洗車は洗剤が早く乾燥し、跡が残る原因となることがあるので避けるべきです。
キャンピングカー専用の洗剤を使用する
使用する洗剤は必ずキャンピングカー専用のものを選びましょう。一般的な洗剤は成分が強すぎて、車体の塗装やコーティングに悪影響を及ぼす可能性があります。
強く擦らない
洗浄時は優しく、強くゴシゴシ洗わないことが大切です。特に、泥汚れや虫の死骸がこびりついた箇所は、柔らかいスポンジを使って丁寧に取り除きましょう。
水分をしっかり拭き取る
水で濡れた部分はしっかりと拭き取ることで、水垢やシミを防ぐことができます。
排気口に気をつける
エアコンや冷蔵庫などの排気口などに注意しながら洗車するようにしましょう。勢いよく水をかけると、水が入ってしまうこともあります。
屋根に登れるかを確認する
屋根が広いキャンピングカーは屋根に上って洗うと楽ですが、車種によって屋根に上がれるものと上げられないものがあるので、購入時に確認しておくことをおすすめします。
新車の購入時にコーティングをする
洗車後や、新車の時に汚れにくくなるコーティングをしておくと、洗車の頻度が少なくなるので多少楽です。
関連記事>>初めてのキャンピングカー。洗車するときのポイント6つ。
キャンピングカーを汚れにくくする
洗車の手順で説明したように、キャンピングカーは通常車と比べて洗車にかなりの手間がかかります。少しでも洗車の回数を少なくするために、キャンピングカーを汚れにくくするための方法をいくつかご紹介します。
コーティング剤の使用
車両全体に撥水や防汚効果のあるコーティング剤を施工することで、雨水や汚れが表面に付きにくくなります。特におすすめなのは、ガラスコーティングやセラミックコーティングで、これらは汚れが固着しにくくなるため、洗車の手間を大幅に減らすことができます。また、コーティング剤によって紫外線から塗装を守ることもできるため、色あせや劣化の防止にも役立ちます。コーティングはプロに依頼することで長期間の効果が期待できるほか、定期的に自分でスプレータイプのコーティング剤を追加するのも効果的です。
窓やミラーの撥水加工
窓ガラスやミラーに撥水コーティングを施すと、雨水がつぶのように転がり落ち、汚れも一緒に流れやすくなります。特に雨の日や走行中の視界確保に効果があり、雨天後の窓やミラーの拭き取り作業が簡単になります。撥水剤は市販されているスプレータイプのものや塗布タイプのものを使用し、定期的に塗り直すことで効果を持続させましょう。撥水加工を施しておけば、雨天での走行後も簡単な水拭きで汚れを落とせるため、洗車頻度の低減にもつながります。
カバーの活用
キャンピングカーを使用しない期間や長期間駐車する場合、専用カバーをかけることで車両を汚れから保護できます。カバーはホコリ、鳥のフン、樹液、紫外線による塗装劣化などから守るだけでなく、急な悪天候時の汚れ付着も防ぎます。特に屋外に駐車する場合は、防水加工のされたカバーや、通気性のある素材のカバーを選ぶと、湿気がこもるのを防ぎつつ、車体を守れます。カバーの着脱は少々手間がかかるかもしれませんが、長期的に車両を美しく保つためには非常に効果的です。
汚れやすい箇所にガードを付ける
泥や小石の飛び散りやすいタイヤ周りやフェンダー部分に、マッドガードやフェンダーライナーを取り付けると、これらがバリアになり車体への汚れの付着を抑えられます。マッドガードは特にタイヤの後ろに設置することで、走行中の水はねや泥はねが車体に付着するのを軽減します。フェンダーライナーは、フェンダー周りの内側に設置されるもので、砂利や泥がボディに直接当たらないように保護します。これにより、車体全体に泥や小石が飛び散るのを防ぎ、洗車の手間を減らせます。
走行ルートを工夫する
砂利道や未舗装路は、キャンピングカーに泥や砂が飛び散りやすく、洗車が頻繁に必要になります。これを防ぐために、可能であれば舗装された道路や汚れにくいルートを選ぶようにしましょう。もし未舗装の道を通らなければならない場合は、低速で走行し、できるだけ泥や砂が跳ねないように気をつけるとよいでしょう。また、山道や森林地帯など、樹液が落ちやすい場所を避けることも有効です。目的地までの道を事前に確認し、汚れにくいルートを選ぶ工夫をするとよいでしょう。
まとめ
キャンピングカーは大きい上に、外側にもいろいろな設備がついているので洗車機は使えません。自分で洗う場合も、中に水が入ったりしないように注意しながら洗う必要があります。
手洗いをすることで、愛車のきれいな状態を長持ちさせることができます。今後の洗車では、ぜひ手洗いを実践してみてください。キャンピングカーを愛するあなたにとって、丁寧なメンテナンスが欠かせません。